夏場の自動車のバッテリー上がり頻発の原因と対策

今年の夏は記録的な猛暑です。

うちの車のバッテリーも、この猛暑で上がってしまいました

急遽、JAFに来ていただきましたが、同じようなバッテリー上がりの方を3件救援されていて、2時間位かかって来られました。

JAFの隊員の方によると、この猛暑でバッテリー上がりの救援要請が急増中で、この方だけでも今夏に数百件もバッテリー上がりの対処をされているとのことでした。

そんな、豊富な経験と情報量を持った隊員の方から、「夏場の自動車のバッテリー上がり頻発の原因と対策」について貴重なアドバイスを伺いましたので、皆さんと共有したいと思います。

 

夏場の自動車のバッテリー上がりの原因

夏場のバッテリーは、大抵の場合、冬と違った原因でバッテリー上がりを起こします。

冬は気温が低く、化学反応が起こりにくいため電池の性能が落ちますが、夏は化学反応的には有利で電池の性能は落ちにくい状況です。ではなぜバッテリー上がりを起こすのでしょうか。

 

エアコンによる消費電力増大

それは、夏はエアコン等の電装品の多用により電気の消費量が多くなりバッテリーの充電が追い付かず放電しがちな状況になっているからです。

特に、風を送るファンのモーターに多くの電力が使われています。エアコンのコンプレッサーについてはエンジンの動力を利用しているので、電力の消費に関してはあまり影響がないようです。

エアコン以外の電装品の消費電力増大

エアコンの他には、ワイパーが意外と多く使われるとのことです。これもモーターですね。最近は、ゲリラ豪雨などの激しい雨も増え、ワイパーをフル稼働する機会も増えました。

あとは光量の大きいヘッドランプやブレーキランプなんかも消費電力が大きいようです。

 

電力消費の増大に、充電が追い付かない

特に、最近はアイドリングストップ機能でエンジンがストップしたり、低燃費仕様でエンジンの回転数が低めに設定されているため、発電機の発電量が不足しがちで、充電不足に陥りやすいとのことです。

チョイ乗りや、渋滞などのノロノロ運転ではこの充電不足が顕著に表れ、バッテリー上がりを起こしてしまいます。

 

では、このような原因に対して、どのような対策を打てばよいのでしょうか。

夏場の自動車のバッテリー上がりの対策

簡単に書くと、電装品の消費電力を減らすことと、発電量を増やすことです。

但し、ランプやワイパーなど、安全のために必要なものをケチってはいけません。エアコンも、この猛暑の中切ってしまうと、熱中症になってしまいます。なので、実際にはそう簡単ではありませんが、いくつか有効と思われる対策を紹介します。

 

エアコンを賢く使う

エンジン始動時、窓を開けて車内の熱気をある程度逃がしてからエアコンをかけると、エアコン(ファン)にかかる負荷が減ります。

余裕があれば、窓を開けて少し走行して車内の熱気を十分外に逃がしてから窓を閉め、エアコンをきかすとよいでしょう。エアコンの効きがよくなり、ファンがずっとフル回転している状態を避けることができ、バッテリーの負担を軽減します。

その際、風量をオートにしておくと、エアコンが効いたときにファンの強さを自動的に弱めてくれるので活用しましょう。

また駐車や停車は、できるだけ日陰を選びましょう。それだけでもエアコンの電力消費をかなり抑えられます。

 

短距離走行(チョイ乗り)や渋滞が続くときは、アイドリングストップをオフにする

アイドリングストップ時は、エンジンがストップしていますので充電は行われていません。そのためエアコンを含めた電装品の電気はすべてバッテリーから賄われます。このため、短距離走行時や渋滞時は充電が追い付かず、放電過多の状態になります。放電過多の状態が続くとバッテリーの劣化が進み、寿命が著しく縮まりますので、アイドリングストップをOFFにするなどの工夫が必要です。

 

バッテリーの状態を管理する

とはいっても、放電過多の状態になっているかどうか、運転状態だけで判断するのは難しいです。このため、バッテリーの状態を見たり、日ごろからバッテリーの電圧を管理することが大切になってきます。

この中で簡単なのは、バッテリーの電圧を管理することでしょう。テスターひとつで端子電圧を簡単に正確に測定することができますが、しょっちゅう確認するのは正直面倒くさいです。そこでおすすめされたのが、よりお手軽な、シガータイプの電圧計です。

車内にいて、いつでも簡単に電圧をチェックできるのが大きいです。運転するたびに電圧が表示されているので、普段の電圧との変化に気づきやすいです。厳密には端子電圧ではありませんが、毎日の変化の目安には使えそうです。

もし、普段と比べて電圧が下がっているような場合は、充電が必要だと判断できますし、充電しても電圧が上がりにくいようならば、バッテリーの寿命が近づいていると判断できます。

目安として、端子電圧13Vあれば満充電で、10.5Vの時は空の状態。これが電圧計によっては色やグラフなどのインジケーターでわかりやすく表示されるので、バッテリーの状態変化に気づきやすいです。