自動運転車が創るカーシェアの新しいカタチ

自動運転車は、カーシェアリングの未来をも変えようとしている。

近年、大都市圏を中心に車を共有するカーシェアリングが普及してきている。車を個人が所有するのではなく、複数の人と共有することで、都会での駐車場不足解消や、自動車維持費の低減、環境負荷低減といったメリットがあるからだ。

そういった中、あくまで予想だが、近い将来完全自動運転車が実現し、カーシェアはさらに便利に進化、爆発的に普及すると予想している。自動運転車は、車自身が運転手となるため、タクシーとの境界がなくなっていくだろう。

 

以下は、筆者の勝手な想像(創造?妄想?)です(笑)。

 

現在のカーシェアリング

現在のカーシェアは、近くのカーシェアスポット(カーシェアステーション)まで自分で車を取りに行って、そこで車に乗る。

最近は車の空き状況や予約をスマートフォンなどの情報端末でできるサービスがあるので、カースポットに行って車が無いなんてことはないが、カースポットが自宅から遠い場合、行くのが面倒である。雨の場合なんかは特に…。

運転して目的地に到着すると、駐車場を探さなければならない。駐車場が満車の場合、空くまで待つか、目的地よりも遠い駐車場に停めなければならない時もあるだろう。別にカーシェアに限った話ではないが、都会の駐車場不足は深刻である。

用事が終わって帰る際も、一部で乗り捨てサービスが始まったものの、原則、カースポットに車を戻してから自宅に帰らなければならない。

未来のカーシェアリング

未来のカーシェアは、自動運転車を呼ぶと、車が自分であなたの所までやってくるようになるだろう。

あなたが自宅にいれば、自宅の玄関先に自動運転車がやってくる。
あなたが職場にいれば、職場の駐車場に自動運転車がやってくる。
あなたがお店で買い物をしていれば、そのお店まで自動運転車がやってくる。

そう、まるでタクシーを呼んでいるかのように、自動運転車がお迎えに来てくれるのである。

そして、目的地まで、自動運転で連れて行ってくれる。あなたは車内でくつろぐのも良いし、本を読んだり、情報端末で調べ物をするのも良い。

目的地に着いたら、あなたは降りて目的地に向かうだけ。駐車場を探す必要も無い。自動運転車は、カースポットに戻るか、次の乗客の所に向かっていく。

 

そして、用事が終わって帰る際も、自動運転車を呼ぶ。あなたのもっとも近くにいる、空の自動運転車がお迎えにやってきてくれる。もちろん自分で運転しなくとも、あなたの家の前まで自動運転車が送ってくれる。

あなたを送った後、自動運転車は自分でカーシェアスポットに戻るか、次の乗客のところに向かっていくだろう。

カーシェアリングに適した、いろいろな車のカタチ

近い将来、人数や用途に応じて、いろいろな自動運転車がラインナップされるだろう。一人乗りの超小型の自動運転車から、大人数で乗れる大型バスのような自動運転車まで、スマートフォンのアプリに人数や用途を伝えると、目的に応じて最適な自動運転車がやってくるようになるだろう。

 

いろいろな自動運転車のなかで、いちばん普及していくのは、1人乗りのような小型でパーソナルなタイプだと予想している。バッテリーとモーター、コンピューターと各種センサーを組み合わせて、安価に車をつくれる時代がすぐそこに来ている。ひょっとしたら10万円台の自動運転車が出てくるかもしれない。そうして、爆発的に普及するだろう。

それだけ安くなれば、車を所有、維持するのが今よりもずっとたやすくできるだろうが、それでも多くの人が共有する時代になっていると思う。ひとりが1台の小型自動運転車を所有するよりも、例えば、数万人が数千台の小型自動運転車を共有するほうが、利用者にとってより多くのメリットがあると考えられるからだ。

 

ライフスタイルも変わっていく

今現在、ほとんどの車は、車庫に「眠っている」時間のほうが長いが、共有することによって、眠っている時間の車を有効利用することができる。車の稼働率を上げれば、より少ない車の数で省資源だし、駐車場スペースも少なくて済む。稼働率が100%になれば理論上駐車場がいらなくなるが、そこまでいかなくとも稼働率を上げ、さらに駐車場までも共有することによって都心部の駐車場不足問題は解決できるだろう。

 

稼働率が上がると道路が渋滞しやすくなるが、すべての車が完全自動運転車になれば、人が運転するよりも渋滞はへると予想している。海の中の魚の群れに渋滞は起きていないように、自動運転車がほかの車と協調して運転できれば、渋滞は起こらない。ひょっとしたら、人の運転は郊外か、レース場でしかできなくなる時代がくるかもしれない。

通勤ラッシュ時は自動運転車が不足するのではないかと思われるかもしれない。しかし、心配は無用である。完全自動運転ができる時代になれば、AIが進化(深化)し、自動車以外の分野にも応用されるので、私たちのライフスタイルも大きく変わってくる。同じ時間に会社に行くから通勤ラッシュが起こるが、皆が同じ時間に会社に行くことが減ってくる。そもそも、会社に行く必要すらなくなるかもしれない。それは、多くの人の仕事が機械に置き換えられて会社に行く必要がなくなっているのと、AIの進展に自宅オフィスでほとんどの仕事が事足りるようになっているからである。