【大阪北部地震の教訓】在宅避難で強化した防災グッズ

大阪北部地震から1年が経過しました。

大阪北部地震では自宅が震源近くで、阪神・淡路大震災の教訓が生かされた部分がたくさんあった反面、まだまだ課題がのこる結果となりました。

阪神・淡路大震災の時との違い

避難所での避難から在宅避難へ

阪神・淡路大震災の時は自宅が住めなくなる位まで破壊され、長期間の避難所生活を余儀なくされましたが、大阪北部地震では幸い自宅マンションの建物被害もなく、自宅でインフラの復旧を待つことになりました。いわゆる「在宅避難」です。

在宅避難は、先の東日本大震災で注目されはじめました。避難所が足りないため水道や電気などのインフラの復旧状況にかかわらず、自宅の被害が軽微だった人は在宅避難となるケースが多々見られたのです。

最近の建物は戸建、マンション問わず耐震性が向上しているので、避難所ではなく自宅で復旧を待つケースがますます増えてくるでしょう。

 

在宅避難のための「備え」が必要

自宅に避難する場合、避難所での避難と違った「備え」が必要になってきます。

たとえ建物は無傷でも、いつライフラインが復旧するかわからない状況の中、
余震も心配しながら過ごすのはとても不安です。

わたしも大阪北部地震の時にはじめて「在宅避難」を経験して、特に在宅避難で困った「水」と「電気」の確保を中心に、あると便利な防災グッズを紹介します。

 

水の確保

備蓄水確保(備蓄量強化)のすすめ

水は生きていくために欠かすことのできないものです。災害時に断水になると、自由に水が使えなくなるため、水の確保は何よりも最優先の事項です。

一般的に備蓄量の目安としては、大人1人当たり1日3Lで、3日分とされています。たとえば家族3人だと27Lが目安量です。うちではそれより少し多めの36L(3ケース)を備蓄していました。しかし大阪北部地震では、量が全然足りませんでした。

実はこの目安量、主に飲料用の目安で、日常生活は飲料用以外にも多量に水を消費します。

また、3日以上断水が続く可能性もあります。マンションなどの集合住宅では、停電すると水を送圧するポンプが働かず、水道管の復旧が終わった後も水が来ないこともあります。

ですから、スペースが許すなら、水は多めに備蓄しておくのをおすすめします。

 

備蓄に適した長期保存水とは

備蓄水としては、2Lのペットボトルが便利です。

コンビニやスーパーで売っている通常のミネラルウォーターでも事足ります。消費期限が2年と備蓄用としては短めなので、こまめに消費期限をチェックして入れ替えるようにしましょう。

備蓄水の消費期限管理やこまめな入れ替えが面倒な場合、長期保存水がおすすめです。私は震災後、普通のミネラルウォーターに加えて、消費期限が5年の備蓄水を新たに追加購入、備蓄量を増やしました。

長期保存水の消費期限は、5年以外に7年や10年、15年のものがあります。ただし消費期限が長くなると価格も高くなる傾向ですので、予算と入替計画に合わせて最適なものを選びましょう。

 

水タンク運搬にキャリーカートが便利

備蓄水だけで水が足りない場合、給水車まで水をもらいに行くことになります。

その際、水タンクとキャリーカートが役立ちます。
水は本当に重いです!20Lで20㎏!給水車から自宅まで、キャリーカートがあれば運搬がラクです。


蛇口と取っ手付きの、おりたたみ式非常用水タンク

キャリーカートとしては、軽量・丈夫に加えて、コンパクトなものがおすすめです。できれば折り畳めて、ナップサックに入る位のものが最高です。

というのも、マンションの場合は災害時エレベーターが止まっていて、水が入ったタンクとキャリーを持って階段を上がるのがとてもしんどかったからです。

ナップサックに入るキャリーカートは、普段のお買い物でも大活躍です。

私はスーパーやディスカウントショップに重いものやかさばるものを買いに行くときは、ナップサックにキャリーカートを入れて行きます。帰りはキャリーカートに荷物を載せて、そのまま引いて徒歩で帰りますので、車を使う機会がずいぶん減りました。

 

風呂の残り湯を有効活用

お風呂の残り湯はその日のうちに流さず、できれば次の日までとっておきましょう。

災害による断水時、お風呂の残り湯があると非常に助かります。トイレの水やちょっとした掃除、洗濯と、意外と多くの水を使います。そんなとき、お風呂の残り湯があればそれで事足りる場合が多いからです。

 

電気の確保

水に次いで電気も大変重要です。

停電時は100Vの家庭用コンセントが使えなくなるので、電池式や充電式などの機器が活躍します。

なかでも、モバイルバッテリーや非常用電池など、USB充電に対応した非常用電源の確保を強くおすすめします。

 

モバイルバッテリー

ラジオは今でも外せない情報源ですが、大阪北部地震ではスマホが情報ツールとして大活躍しました。SNSを活用した家族との連絡や、リアルタイムでの情報収集に、スマホはもはや防災アイテムとして欠かせない存在です。

そんな災害時に大活躍のスマホですが、電池が無くなると全く何の役にも立ちません。停電の復旧が遅れると、スマホの充電ができず有力な情報ツールを失うことになります。

モバイルバッテリーがあれば、スマホの充電はもちろん、USB充電に対応したLEDランタンなどの防災グッズの充電が可能です。

モバイルバッテリーとしておすすめなのが、USBポートが複数あり、大容量で急速充電対応のタイプです。スマホを充電しながらLEDランタンを充電したり、スマホを2台同時充電するときに便利です。

マグネシウム空気電池(非常用電源)

停電が長期化するとモバイルバッテリーへの充電ができません。そのため、非常用のマグネシウム空気電池を揃えました。

マグネシウム空気電池は水や海水を入れるだけで発電を開始し、最大で5日間程度発電し続ける大容量電池で、万一の時に頼りになる存在です。

自家用車がある方は、車のUSBコンセントやシガープラグから充電する方法もありますので、そちらの方が経済的かもしれません。ガソリンはこまめに補給しておきましょう。

ただし大阪北部地震の時は我が家の場合、マンションの立体駐車場が停電で車を出せませんでしたので、立駐の方は注意が必要です。

 

まとめ

地震に対する備えは日ごろから行っていたつもりでも、いざ在宅避難を経験してみると、意外に自宅での避難生活に必要な防災用品が不足していることを痛感しました。

在宅避難では、避難所での避難と違ってプライバシーが守られる半面、情報やライフラインの供給が避難所に比べて遅れがちです。なかでも水と電気は供給が遅れると避難生活の質(QOL)に大きく影響するので、前もって準備しておきましょう。