万年筆の楽しみのひとつに、
お気に入りのインク選びがある。
最初は、万年筆と同じメーカーのインクカードリッジを使用していた。
しかしながら、色々なメーカーの万年筆を使っていくうちに、好みのインクが出てきて、別のメーカーの万年筆でもそのインクを使ってみたくなってくる。ちょうど大学生の頃である。
近所の文房具屋さんに行くと、そこのオヤジが万年筆マニアで、
売り物だかコレクションだかわからないようなたくさんのインク瓶とコンバーターを出してきて、私の万年筆に挿し、色々なインクを試させてくれた。
まず驚いたのは、インクの種類と数。
ここは伊東屋か丸善か!?明らかに街の文房具屋の取扱い量を超えている。まさにオヤジの趣味の世界だった。おかげで、インクごとに異なる個性(発色、グラデーション、書き味の違い等々)を知ることができた。同じ万年筆がこれほど変化するのかという驚きと同時に、万年筆の世界に惹きこまれて行った。(オヤジさんの術中にまんまとはまった訳である(笑))
あれから20年、万年筆で書くことがますます楽しくなってきている。
最近は、モンブランのミステリーブラックとペリカンのブルーブラック、パイロットのブルーブラックインクといった定番インクに加えて、iroshizuku(色彩雫)シリーズを使い始めている。目下、朝顔(アサガオ)を愛用中である。
万年筆ではないが、パイロットのフリクションのブルーブラック0.7mmが万年筆っぽい発色で気に入っている。万年筆用のフリクションインクがあれば是非使ってみたいが、開発、商品化してくれないかなぁ。