内向的な性格の人にぜひ読んでほしい本2冊

おすすめの本

今の社会、外向的であるほうが得をする社会になっているように感じており、内向的人間のわたしは肩身の狭い思いをしながらも外向的に振舞っている。幸い、企業の人たちの前での講演や海外の学会発表での堂々とした「態度」は、場数を踏むと何とかなるもので、周りの人には、外向的人間だと思われている(笑)。

でもそれはしょせん作られた態度で、自然体でいるほうがどれだけ楽か。講演や発表が終わったときはいつも疲れ切ってぐったり。

一方、家やホテルにこもって執筆活動しているときは、一日中文章を書いていても不思議とあまり疲れない。やっぱり内向的な人間は、内向的な仕事スタイルが向いていると思う瞬間である。

世の中が内向的人間に向いた社会だったらどんなに楽で、自分にとって生産的だろうなぁと思う今日この頃。

日本人の7割は内向的!?

 

わたし自身隠れ内向的人間なので、外向的人間を演じている人が、なんとなく雰囲気でわかってしまう。感覚的で申し訳ないが、日本人の7割はわたしのような隠れ内向的か、内向的人間のように思える。

内向的が多いのに、外向的を是とする社会の不均衡

内向的な人が日本人の大半を占めているのに、なぜか社会的にそれがいけないかのような印象を与えられていて、不必要なコンプレックスを抱いている人が多い。私自身もいつの間にかコンプレックスを抱いていた。

わたしが学生時代のころ(1980-90年代)は、内向的の社会的イメージといえば、暗い、自信がない、神経質、消極的、無口のような現実とは異なるマイナスイメージで占められていて、内向的な自分の性格をどこかで否定していた時期があったからである。

もっと驚いたのは就職活動を経て学生から社会人になったとき。当時(今も?)多くの企業の求める人材像は、外向的人間で、内定を得るには外向的人間にチェンジ=完全にそれを演じなければならなかった(苦笑)。日本人の7割が内向的なのに、なんかおかしいと思いつつも演じ切ってなんとか社会人に。で、ふたを開けてみると同期のほとんどは演じ切った内向的人間ばかり(笑)。なんか日本の就職活動って非効率で変だなぁと思いながら、会社内では、同期も私も結構疲れながら、外向的人間を演じつづけていた。

これは社会にとって大いなる損失である。3割の根っからの外向的人間は今の通りでいいのかもしれないが、多数を占める7割の内向的人間にとって、もっと良い社会システム、会社の仕組みが必要である。そうすると、きっと社会はもっと効率的に回るはずである。

 

内向的だということが自信になる本

会社勤めや国の研究機関勤め、コンサルなどをやっていると、場数を踏んで誰も私を内向的人間だと思わなくなったけれども、ずっと何かが引っ掛かっていた。

きっかけは、本屋で偶然みつけたこの2冊。

『内向型を強みにする』 マーティー・O・レイニー著
『内向型人間のすごい力』スーザン・ケイン著:『内向型人間の時代~社会を変える静かな人の力』の文庫版。

 

これを読んだとき、内向型の自分と素直に向き合い、「内向的でいいんだ」と思うことができるようになり、不必要なコンプレックスから解放された。

内向的な自分の性格に自信をもつようになると、自分らしく振舞えるようになった。すると、以前に比べてずいぶん気が楽になった。少なくとも、内向的であるということが言えなかった自分が、今では堂々と自信をもって言える。

 

 

社会の価値観が急速に多様化している時代なので、あと数年もすると、内向型に対する評価が正当化されて高まっていくだろう。(すでに外向的人間の多いアメリカで、このような本が出ており、価値観の転換が始まっている。)

そうすると今よりもずっと社会全体がうまく回っていくようになると思う。

それまでに、内向的な人はぜひこの2冊を読んで、自信をつけてください!