LED電球が急速に普及し始めて、数年が経過した。
LED電球は白熱電球に比べて寿命も比較的長いとされている。
メーカーや製品によって異なるが、だいたい40,000時間の製品が多い。
40,000時間というと、1日8時間の使用で約13.7年、毎日24時間使用しても約4.6年!
白熱電球の寿命がだいたい3,000~5,000時間なので、いかにLED電球が長寿命かがわかる。
LED電球が早く壊れるケース
しかしLED電球の中には、購入して数か月~数年で点灯しなくなったり、チラついて使えなくなったという話をよく聞く。
あまりにも早く壊れる場合や、交換してもまた壊れる場合は、使い方が間違っていないかチェックすることも必要!。
(知人は、LED電球を取り付けてはいけない所に取り付けたため、1ヶ月位で壊れたとのことである。誤った使い方は、故障だけでなく火災の原因になったりするので注意が必要だ。)
では、間違った使い方にはどんなものがあるのだろうか?
LED電球の間違った使い方3点
1.密閉型器具に対応していないLED電球を、密閉型器具で使う
密閉型器具とは、バスルームや屋外の照明のように電球がカバーによって密閉されている器具のこと。
LED電球が、アクリルやガラスのようなカバーで覆われ、密閉されていると湿気や水が入りにくくなる半面、熱がこもりやすくなるため、密閉型器具に対応していないLED電球だと極端に寿命が短くなる。
このような使い方をしている場合、密閉型対応のLED電球を使っているか、いま一度確認してみよう。ちなみに、密閉型対応のLED電球は、「密閉型器具対応」とパッケージ等に明記されているので、購入前に注意しておこう。
密閉型対応のLED電球は、非対応のLED電球よりも一般的に放熱設計がしっかりしているものが多いので、わたしは密閉型でない器具でも積極的に使用している。
熱がこもりやすいといえば、密閉型器具に限ったことではない。次に紹介する断熱材施工器具にも注意が必要である。
2.断熱材施工器具に対応していないLED電球を、断熱材施工器具で使う
外から見た目にはあまりわからないが、断熱材施工器具というのがある。
主にダウンライトなどの裏面に、断熱材が施工された器具である。見た目に断熱材がわからないため、断熱材施工器具には、SGI、SG、SBといったマークが表示されているので、器具をいま一度確認されたい。
住宅の省エネ化で、天井に断熱材を施工するケースが多くなってきているため、この手の器具が増えてきた。ダウンライトは天井に埋め込まれるので、ダウンライトの直上に天井裏の断熱材がすっぽりとかぶさってしまう形になる。
そうすると、熱がこもりやすくなるため、LED電球の放熱にとって好ましくない状況になる。
このため、断熱材施工器具には断熱材施工器具対応のLED電球を使用しなければならない。
断熱材施工器具対応のLED電球も、密閉型対応のLED電球同様、「断熱材施工器具対応」とパッケージ等に明記されているので、購入前に注意しておこう。
断熱材施工器具対応のLED電球は、前述の「密閉型対応」のように、非対応のLED電球よりも一般的に放熱設計がしっかりしており、熱に強い製品が多い。
わたしは、断熱材施工でない器具や、密閉型でない器具でも、「密閉型器具対応」「断熱材施工器具対応」と明記されたLED電球を積極的に使用している。
次に、熱だけでなく電気的なことにも注意が必要である。
3.調光機能つき器具に非対応のLED電球を、調光機能付き照明器具で使う
ここでいう調光機能とは、明るさを調節できる機能である。
例えば、フロアスタンドやベースライト、ダウンライトなどで、ツマミをまわしたりスイッチをスライドさせたりして明るさを調整する照明器具が調光機能つきの照明器具に相当する。
調光機能の付いた器具に、調光器具非対応のLED電球を使うと、チラついたり故障して点灯しなくなったりするので、非対応のLED電球を使用してはいけない。
調光機能対応のLED電球は、「調光機能対応」と明記されているので、購入時に注意が必要である。
正しい使い方をしていても、やっぱり壊れるケースも
使う側が間違った使い方をしている場合だけでなく、間違った使い方をしてなくても壊れるケースも目立ってきた。
わたしの場合も、正常な使い方にもかかわらず、1年位で点灯しなくなったのがあった。
もちろん、5年以上経過しても問題ない製品が大部分だが、1つでも「ハズレ」にあたると、とても残念な気持ちになる。
あまりにもあっけなく壊れたので分解してみたところ、発光部は壊れておらず電源回路の電解コンデンサーが膨らんで故障していた。一般的に電解コンデンサーは熱に弱く、10℃の温度上昇で寿命が半分になるとされている(アレニウス則)。
密閉型器具対応、断熱材施工器具対応と謳っていても、故障する時は故障するんだな、と思った。とても残念だが、確率はゼロではない。
4.保証がしっかりしたものを選ぼう
ただ、保証がしっかりしたLED電球を選べば、万一の故障の際にも安心である。保証がしっかりしているということは、逆に言えばメーカーも品質に自信があるということだし、故障しにくいのだと思う。たとえ故障したとしても、修理や交換をしてくれるので心強い。
最近は、国内メーカー品を中心に、5年保証の製品が出てきているので、長期間安心して使うことができる。
パナソニック
・2016.12.1より業界に先駆けLED電球の5年保証を開始1)。2016.12.1以前に購入した製品でも5年保証を適用するのが同社のすごいところ。レシート等購入を証明できるものがない場合は、製造番号から製造時期を確認して保証を適用とのことで、詳細は下記リンクを参照されたし。さすが一流メーカーだけのことはある。
パナソニックの動きに、各社も保証制度を拡充し始めている。
東芝
・2017.8.1よりLED電球の5年保証を開始。パナソニック同様に2017.8.1以前に購入した製品も保証を適用する。
アイリスオーヤマ
・2017.4.1よりLED電球の5年保証開始。2017.4.1以降の領収書、レシートにて対応。2016.3.31以前購入は対象外。
LED電球・LEDシーリングライト5年保証制度について(アイリスオーヤマWebsite)
オーム電機
・2017.8.21よりLED電球の5年保証制度開始。定格寿命40,000時間のLED電球が対象。2017.4.1以降に購入した商品で、2017.4.1以降の領収書、レシートにて対応。それ以前の購入は対象外。
1)「パナソニック、LED電球を5年無料保証」日本経済新聞(2016.11.1)