内向的人間が活躍する、日本の明るい社会

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アメリカ人は、意外に内向的人間が多い

先日、『内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える』を読んだ。著者のスーザン・ケインによると、アメリカは外向型社会で、外向的な人間が多いとされているが、実際のところ3分の1から半分位は内向的人間なのだそうだ。ただ、現代のアメリカは外向的がよしとされる社会なので、生きづらさを感じながらも外向的に振舞っているのだと述べている。

 

 

上記『Quiet内向型人間の時代』の文庫本版が、

以下に紹介する『内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える』という本。

題名が微妙に違うのですが、内容は同じです。

 

 

日本はアメリカ以上に内向的人間が多い

日本は内向的人間の比率はもっと多いと思う。わたしの感覚では7割くらいが内向的人間だ感じている(8割という意見もある)。

但し、現代の日本も外向的がよしとされる社会なので、アメリカと同じような無理な外向的ふるまいをしている人が、かなりの数いることになる。無理にふるまっている人の比率で言うとアメリカよりも多いんじゃないだろうか。

 

内向的人間に適した、日本社会づくりが急務

 

アメリカと同じように無理な外向的ふるまいをしている人が、アメリカよりもたくさんの割合でいる。

 

これって多くの日本人にとってすごく無駄非効率なこと。

 

必要以上に外向性を振舞わなければならない社会はもうやめて、ひとりひとりが自分の性格を尊重できる社会システムを作ったほうが、より効率的で、生産的でしょう。

 

外向的社会の弊害

日本社会が外向的社会へと急速に変化したことによって、様々な問題が生じている。教育システムも、企業も、外向的人間が尊重されている。

 

企業の外向的尊重による弊害の一例

外向的で回っている会社は、リーダーシップという名のもとに、声の大きい人が間違っていてもまかり通る世界になっている。これが様々な弊害を生んでいる。

上層部の多くは、外向的人間か、外向的を振舞っている内向的人間。内向的人間も、「なんか違う」と感じながらも、外向性礼賛の社会で自分たちの自己評価を落とし、外向的価値に迎合していることが多い。上層部は外向性という価値基準で上になり、その価値基準でマネジメントを行う。組織の7割を占める内向的人間にとっては、組織の生産性がどんどん落ちてくる。

内向的な部下たちが、「間違っているのになぁ」、と思っても、リーダーが、じゃあその理由は、根拠は?とお決まりの質問。反論しようにも熟考する時間も与えない。

さっと答えが出なければそのアイデアや意見は却下される。さっと答えが出るものなら、いちいち議論しない。間違った方向に強硬手段で進む。結果は目に見えている。

 

失敗したら、言い訳のうまい上司。逃げ足も速い。部下は右往左往。効率悪いったらありゃしない。

会社全体がじっくり考えない人の集団になってきているのは、実に嘆かわしいことである。

 

仕事柄いろいろな話を聞くが、今の日本の企業って、突き詰めていくと外向的優位な、偏狭な価値観で動いている経営や人事システムに問題があると強く感じている。たった3割に優位なシステムで、7-8割という多くの日本人が生産性を落としているのは、どう考えても納得がいかない。

 

 

内向的ではグローバル化に対応できない!?

そんなことはありません

わたしは欧州(フランス、スペイン、ベルギー)、北米(アメリカ、カナダ)で働いてきましたが、海外で働いていた時のほうが無理に外向的人間を振舞わず、自分の内向性を出せていました。

内向的な自分は海外で尊重され、活躍していました。研究の成果も多方面で認められています。日本であまり良く言われない内向的な態度は、海外で「真摯で信用できる」「仕事の完成度が高い」「日本人は素晴らしい」と前向きにとらえられていました。

グローバルで活躍するためには、自分を無理やり変え 苦手な価値観に合わせて振舞うなんて非効率なことはやめて、自分の持つ本来の力を最大限発揮できることを考えたほうがよいです。

むしろ外向的人間のほうが厳しい!?

日本で外向的に振舞っている内向的人間が、世界に出て同じ土俵で活躍するのはかなりしんどいです。外向性を武器にするなら、グローバルな外向性を身に着ける必要があり、そこで日本人のほとんどは勝負にならないでしょう。

わたしの友人の中にも、日本企業を飛び出してビジネススクールなどに入り、マッキンゼーやプライスウォーター、デトロイトトーマツのかなり上のほうまで上り詰めた友人たちがいますが、その外向的能力や国際的感覚は当時から飛びぬけていました。幼少の頃より海外で育ったのもいて、感覚がすごかったです。語学力とか、そんなんじゃなく、世界観やものごとのとらえ方が飛びぬけているんです。変な固定概念に縛られないというか。わたしも日本人の中ではかなり変わっていて感覚は飛んでいたと思いますが[管理人紹介](笑)、外向的能力は彼らの足元にも及びませんでした。私は彼らを見ていて、その世界では戦えないと判断したので、自分の強いところで戦ったわけです。

繰り返しますが、ふつうの日本人が外向的社会の仕組みでグローバルに戦っていくのは相当大変なことです。日本人の7-8割が内向型なら、7-8割の人を無理に他人の土俵で戦うようなことをせず内向型に適した社会や会社の仕組みを作って、そこでみんなが活躍したほうがよっぽどいいのです。