ドイツの生産性は日本の1.5倍!

最近、日本も働き方を変えて生産性をあげようという機運が高まってきています。

10年以上前から、海外でいろいろな働き方を見てきた経験から、日本人の働き方は正直時代遅れで、先進国の働き方としてはちょっと周回遅れな感がしています。

これを取り戻すために、生産性の高い他国から学んでわたしたちも良いところを取り入れていきましょう。日本は、これまでに海外の良いところをうまく取り入れて急速に発展してきました。ToiToiToi!

今回は、比較的生産性の高い国で、国民性が近いといわれるドイツの働き方について紹介します。

 

ドイツの生産性は日本の1.5倍

ドイツは、残業が少ないうえに休みが多く日本よりずっと生産性が高いです。

生産性が高いということは、短時間労働で、休みも多くとった上で、給料もたくさんもらえるということです。

年平均労働時間:
ドイツ1,371時間/日本1,719時間

時間当たり生産性(GDP):
ドイツ64.4ドル/日本41.3ドル

 

ドイツの年平均労働時間は1,371時間で、これは実働日あたり6時間程度!だが、ドイツの時間当たりの生産性は、日本の約1.5倍と高い。

その生産性の高さゆえに、ドイツの一人当たりのGDPは、1,371×64.4≒88,300ドルとなり、日本の1,719×41.3≒71,000ドルをおよそ25%上回っています。

 

短時間でちゃちゃっと稼いでいるドイツと、必死に働いているのに、稼ぎが悪い日本。どうしてこうなってしまったのでしょうか?

 

大きな違いは、国や企業の制度で、長時間労働できない仕組みになっています。また、休みが充実しており、安心して働きながら子育てができるようになっています。

国や企業の制度の違い

ドイツでは10時間以上の長時間労働は法律で禁じられています。日本の労基署のようなところの抜き打ち検査で10時間以上の労働が発覚すると、日本円で15,000ユーロ(約190万円(5/27))もの罰金となります。しかもそれは大概の場合企業が払うのではなく、上司である管理職が払うことになるので、長時間労働は上司から評価されず、結果的に長時間労働は起こりにくいようになっています。

また、ドイツでは有給休暇の取得も法律で義務付けられています最低日数は、なんと24日!。最低24日なので、大抵のドイツ企業は30日程度の有給休暇が毎年付与され、ほぼ100%消化されます。

さらに、残業時間を貯めて休みに振替えることもできる便利な制度があります。つまり、残業が定時分たまったら、一日休みとすることができるのです。企業も余分な残業代を払わなくてもよくなるし、従業員も働きすぎた分リフレッシュや家族と過ごす時間に使える、合理的な制度といえるでしょう。

また、ドイツには有給休暇とは別に病気休暇という制度があります。多くの日本人は、病気になったら有給休暇を使うでしょうが、ドイツ人はそうではないです。有給休暇はあくまでもリフレッシュや家族との時間、趣味などに使う休暇という位置づけです。例えば風邪をひいたら普通に病気休暇を使います。けがをして働けない場合も同じ。6週間まで給料が支払われます。けがや病気が万一6週間以上長引いた場合、有給休暇を併用することもできます。手厚い制度で安心して働けるようになっています

日本だと古い上司によっては、風邪ぐらいで休むなとか、大切な会議があるのにとか、嫌味を言われる場合があるかもしれませんが、ドイツではわたしの知る限りそのようなことはありません。お互い様。上司も風邪をひいたらあたりまえのように休むのですから。

さらに先を行ってると思ったのが、子供のための病気休暇制度です。子供が病気になった時、共働きの場合に休むことが法律で認められています。子供1人の家庭の場合、夫婦で10日+10日の年間20日。子供2人の場合だと夫婦で20日+20日の年間40日。休んだ時の賃金も支払われます。ひとり親の場合は、子供1人で年間20日、子供2人だと40日となっています。子育てにも配慮されている制度と言えるでしょう。

 

これだけ制度が充実していると、働く側も安心して働けますし、余裕が出て仕事へのモチベーションが高まります。よりレベルの高い仕事もできるようになるでしょう。

今の日本の状況は、働く人に余裕がほとんど感じられません。

 

ムダの多い働き方で、働きすぎの日本人

欧米と日本で働いてきた経験からいうと、能力的にはさほど変わらないと思います。むしろ日本人の方が平均的に能力のバランスがとれていて、勤勉なひとが多いと感じています。

ただ日本人は、働き方にムダが多く、働きすぎ(働かされすぎ?)の状態のようです。そしてその結果、余裕がなくなってパフォーマンスが下がっている状況ではないかと思っています。

 

これは、日本独特の仕事に対する価値観やワークスタイルにも一因があると考えています。

・労働集約型時代のワークスタイル
・長時間残業を評価する旧来の価値観
・個人よりチームプレー重視の価値観

などはよく聞きますが、企業文化として染みついているようなところもあり、急激な環境変化に企業や働いている人が対応できていないのではないかと懸念しています。

特にそういった価値観で長年過ごしてきた中高年の管理職や経営陣の意識改革が急務でしょう。わたしの年代以上になると、必ずしもそのような人ばかりではないのですが、昔の価値観から脱却できていない人が一定数おられ、コンサルタントを行っていても強くそれを実感しています。